スペインの聖地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」に続く、スペイン巡礼の道(カミーノ・デ・サンティアゴ)を歩く旅(2017年の10月上旬)3日目はズビリからパンプローナまで。
3日目 朝6時過ぎにスタート
アルベルゲで準備を済ませて日の出前に出発。昼間は半袖で過ごせるぐらい暖かいけど、夜明け前の気温は15℃前後で動いてないと肌寒い。
ヘッドライトをつけて歩き始める。しばらくは小高い丘を登っていく。日の出の時間が遅いので6時30分を過ぎても星がきれいに見える。
ズビリの街を出発して約1時間30分で隣の街ララソアーナ(LARRASOANA)に到着。
体も冷えていたので、この街で朝食を食べて温まろうと思って、街の中を行ったりきたり10分ぐらい探してみたけど、残念ながらどのお店もまだ営業前。諦めて次の街で食べることに。
ララソアーナの街を出て1時間30分、小さな川を渡った所にあったアルベルゲ「Albergue La Parada de Zuriain」で遅めの朝食。この日もオムレツとパン。
やっぱり温かい食べ物はほっとする。ほとんどの人がここで休憩していた。
休憩後、しばらくは幹線道路沿いを歩く。左側の細い道が巡礼の道。
車の台数よりも自転車とすれ違う数の方が多かった。この日は日曜日だったのでツーリングを楽しんでいる人が多かったのかもしれない。
途中で出会ったスペイン人の女性「Nani」と一緒に歩く。彼女はスペイン北部の街から歩きにきていて、家族にバスク出身の人がいるので、スペイン語とバスク語の両方を話せるらしい。
スペインとフランスの両側にまたがるバスク地方。その中で最も広い面積をもつナバーラ州の州都がこの日(3日目)の目的地パンプローナ。
道路から少し離れてトレイルの道を歩く。振り返ると、どことなく八ヶ岳付近の風景に似ているようで、少し違う感じの風景が広がっていた。
トレイルを抜けて橋を渡ると、パンプローナの少し手前の街「ビリャバ」に到着。
街中ではお祭りの最中。大勢の人で賑わっていて、子供も大人も大きなマスクを被って楽しそうに歩いていた。
ビリャバの街からパンプローナに向かう途中に食べたおやつ。ドーナツを想像して買ってみたけど、砂糖がまぶされた甘くないパンといった感じ。とにかく大きい。
そろそろパンプローナの街に着くはずだけど、どこだろう?と思いながら城壁の中に入ってみると‥。
目の前に突然街が広がっていてビックリ。日本で例えると、お堀の中に巨大な街が広がっているイメージ。
ズビリの街から歩き始めて約6時間でパンプローナの街に到着。距離は約20km。
この日は観光案内所で紹介してもらった比較的新そうなアルベルゲ「Albergue de Pamplona-Iruña」に宿泊。それほど大きくはないけど奥に長い建物。
写真右側の通路脇に2段ベッドが並んでいて、それぞれにカーテンやコンセントがついていて個室感のある作り。奥の明るい所は洗濯物を干したりできる中庭。インテリアにこだわった清潔感あるキッチンやリビング。
受付スタッフの人もとても親切で、おすすめの観光スポットを教えてくれたり、居心地が良いアルベルゲだった。
チェックイン後、シャワーを浴びて洗濯と荷物整理を済ませて街に出ると、ちょうどシエスタの時間だったので、夕方までパンプローナの街を散策。
パンプローナの中心街に戻ると、シエスタの時間が終わったのか、さっきまで誰も歩いていなかった通りが賑やかになっていた。
この日はアルベルゲで出会った日本人のSさんと、ヘミングウェイがよく訪れていた「Café Iruña」で夕食。Sさんはドイツで演劇を学んでいて、ドイツから巡礼の道(カミーノ・デ・サンティアゴ)を歩きにきたらしい。
カフェの店内は歴史を感じるクラシックな内装ながら、開放感があってカジュアルに楽しめる雰囲気で、観光客も多くほぼ満席。
それぞれ、好きなメニューを注文。1日目、2日目に食事をしたカフェとはメニューも品数も違って、何を食べるか迷った末に肉料理を注文。
最後はデザートにベリーソースがかかったチーズケーキを注文。フランスからスペインに歩いてきた3日間の中で一番美味しい夕食だった。
帰国後、半年ぐらいして作・編曲家、サウンドプロデューサー「小袋成彬」のアルバム「分離派の夏」の6曲目に、Sさんが巡礼の道を歩きながら勤めていた会社をなぜ辞めたのか?その理由を語った曲が収録されていて、巡礼の道を歩いたことを思いだす貴重な一曲になった。
旅先での偶然の出会いに感謝。