縁あって「お椀をもって旅する輪島」という名前の通り、輪島塗のお茶碗をもって、世界農業遺産の地、輪島を巡る1泊2日のツアーに参加してきた。
羽田から飛行機で約1時間、能登空港に到着。意外と近い。空港から早速、ツアー参加者みんなで日本の里100選にも選ばれている「金蔵」へ移動。
このツアーの主催団体「能登輪島米物語」の9つの生産者の一人で金蔵でお米を作っているイシザキさんから集落の言い伝えやお米のことを伺いながら田んぼを見学。
地元のTV局の取材付きのツアーだった。
印象的だったのは、イシザキさんが作る米はできるだけ農薬と機械を使用しないことで、玄米の段階でもお米が「生きている」とのこと。水に浸けておくと芽が出るらしい。米が実際に生きているかどうかなんてこれまでに考えたこともなかった。でもそう聞くとどうせ食べるなら生命力がある米が良い気がする。
昼食は「野草茶屋 寺々」の縁側で地元の野草を活かした定食をいただく。初めて食べる野草も多く新鮮。イチヂクの天ぷらがあったり地域が変わると調理法も変わるから面白い。違う季節にまた訪れてみたい。
食事を済ませた後、車の移動中に立ち寄った、昔ながらの揚げ浜式製法でつくる「輪島製塩」と「白米千枚田」。
金蔵米の次は「輪島キリモト」の木工所を見学。
一般的には分業制が多い漆業界で一貫して制作しているからこその「器完成までの工程」がわかる展示スペース。何気なく普段使っているシンプルな器も工程数が思った以上に多い。
何となく大事に丁寧に扱わないといけないと思っていた、漆器が気軽に使い易い器ということを知ってとても気がラクになった。
出入り口付近に掛けられていた暖簾。分かりやすくて気持ちが良い。
2日目は輪島朝市からスタート
翌朝は朝市で朝食。買ったものをその場で炭火で焼いて食べれる嬉しいサービス。その後は輪島で漁師をされている方の自宅を訪れて、漁で使用する仕掛けのメンテナンスを体験しながら、輪島の漁事情やこれからについて考えていることなどをお聞きした。
農家とは逆に人手が多過ぎるぐらいで、現状全く困っていないというのは意外だった。
ジャンルや状況はそれぞれ違う農業と漁業。ただどちらも自分の仕事に誇りを持っているお二人。
自分が食べるものを買うなら、こういう人から直接買いたい。