2024 沖縄本島1周サバイバルラン|対策・準備編

レースの内容の振り返りはこちらから

沖サバ レース概要

距離:383km 累積:1,787m
2024 年は台風の影響でヤンバル地域に行かず、辺戸岬から宮里三丁目までピストンで戻ってくるコースに変更。
制限時間:72 時間制限
サポートは不可
第1 チェックポイント 残波岬(34km・5時間)
第2 チェックポイント 宮里三丁目(77km・12時間)
第3 チェックポイント 辺戸岬(163km・24時間)
第4 チェックポイント 海中道路あやはし(296km・48時間)

走ろうと思ったきっかけ

通称「沖サバ」を走ろうと思ったきっかけは、
シンプルに自分がまだ挑戦したことのない、ワクワクするレースだったから。迷わずエントリーした。
さらに、TJARの選考会に抽選で外れて挑戦できなかったこともあり、タイミングとしてはちょうど良かった。

自分がワクワクする要素は、ほぼこの2つ。
  1. できるかわからない新しい挑戦・体験
  2. 見たことのない風景

レース結果

時間:62:14:07 3位
第9回(2024)完走者
18名/65名(完走率27%)

以下は手元の計測
距離:395.77 km/累積:3,420 m
平均気温:28.4°
平均ペース:9:26/km
カロリー:20,126kcal

装備

台風の影響で直前まで天気が読めなかったため、レース当日の朝まで悩んだ結果、以下の装備に。
結果的に、仮眠用に持っていった100均の銀マットだけは不要だった。

  • フラスコ×2
  • レインウエア上のみ
  • 替えの靴下1 足とパンツ
  • 日焼け止め・リップクリーム
  • サングラス
  • ヘッドライト&予備電池
  • モバイル充電器&ケーブル
  • 予備ライト
  • 甘酒&GU ロクテイン
  • 経口補水パウダー&岩塩タブレット
  • エイドキット
  • 歯ブラシ&ハサミ&ティッシュ
  • 銀マット(仮眠時を想定して)

服装

基本的には、トレイルのロングレースで信頼しているものを中心にセレクト。ただし沖サバはドロップバッグがないため、シューズとウェアは直前まで本当に悩んだ。

キャップ:パタゴニア ダックビルキャップ
雨予報が多く、当日朝にハットからキャップへ変更。結果的に正解。

Tシャツ:パタゴニア リッジフローシャツ
最近はレースの時、ほとんどこのTシャツ。肌にまとわりつかないので心地よい。

インナー:ファイントラック スキンメッシュ(クール)
蒸し暑いのでクールタイプを着用。

パンツ:ユニクロ シームレスメッシュ
暑さ対策でメッシュタイプを初使用。問題なし。

ショーツ:パタゴニア ストライダープロショーツ7インチ
日焼け&長時間走行を考えて7インチを選択。ただ後半、雨で濡れて太ももの擦れが気になり、5インチの方が良かったかも。

時計:Garmin Fenix 7 Dual Power
途中で2回充電。コース確認しながら走れたのは大きかった。

靴下:インナーファクト・ラミーソックス
メリノウールと迷ったが、耐久性重視でラミーに。

シューズ:アディゼロ SL2
アシックス マジックスピード4と迷ったけど、伊豆フットジャーニー200kmでも違和感のなかったSL2を選択。親指部分の突き上げはあったが大きなトラブルなし。

ザック:サロモン センスプロ 10
荷物が少ない時は肩周りのフィット感が柔らかいサロモンを使っているので、今回もサロモンのセンスプロ 10。コンビニ補給がメインのレースの時はフラスコに飲み物を移し替えるのが面倒だった。Answer4のようにペットボトルをそのまま使えるザックが良さそう。

沖サバに向けた練習

1.走行距離を伸ばす

8月:423km
9月:523km
10月:627km

400kmに耐えることができる脚づくり。
怪我なく継続して月間600km以上走れれば完走可能と想定。
600kmの根拠は過去の経験から逆算して予想。
トレイルランニングの100マイルレース:30時間前後→月間走行距離300km〜400km
沖サバ:約60時間〜65時間予想(トレイルの100マイルの約2倍)→約600km

2.レースを想定したペースで走る

普段のジョグより遅い6:00〜6:30/kmで、できるだけ負荷の少ないフォームを維持する練習。
あえてゆっくり走るというのが難しく、慣れるまで時間がかかった。
また、夏場は暑くて走り続けることが難しかったので「10km走る→10km早歩き→また10km走る」という動き続ける練習も実施。

レース中の補給

基本はコンビニ。チェックポイントがエイド代わりになり、おでんや沖縄そばも!

食べ物:おにぎり・バナナ・ウイダーインゼリー・カップうどん・あんまん
飲み物:水・グリーンダカラ・さんぴん茶・コーラ・栄養ドリンク・トマトジュース

この距離では「時間ごとに決まった量を摂取」を継続するのは難しいので、「お腹が空かないように食べる」ことを意識。
中盤からお腹がゆるくなりトイレに行く回数が増えたため、ゼリーを控え、後半は柿の種やカロリーメイトなど乾き物を中心にして改善。

レース前は走りながら食べてみたい!と思っていたけど、実際走ってみるとまったくそんな気分にはならなかった。

睡眠時間と眠気対策

沖縄のバス停は風対策なのか三方を囲われていて寝やすかった。事前に寝るならバス停が良さそうと決めていたので、

  • 屋根付きのバス停で2回
  • スポーツセンターの階段で1回

合計:10分+5分+10分の計25分

レース後半になると眠気が強すぎて、カフェインもすぐに効き目がなくなり、音楽を聴いてみたけどは全く効果なし。
一番効果があったのは「自販機の冷たい水を頭からかける」これをやると一気に目が覚めた。
眠気対策で困っている人にはオススメ!

想定外・うまくいかなかったこと

足裏のダメージ

レース前日から保護クリームは塗っていたものの、塗り直す回数が足りなかったのか、気づけば足裏全体に水ぶくれが広がっていた。ibuki交換のCP(約240km地点)で靴下を脱いだときには、すでに手遅れ。後半は着地するたびに痛みが走り、替えの靴下もほとんど意味がなかった。足を乾いた状態に保てなかったのが大きな原因だったと思う。

レース直後
レース後に、親指に溜まった血を皮膚科で抜いてもらった。

暑さと湿度

レース前半は汗が止まらず、内もものダメージが大きかった。気温と湿度が高く、うまく対処できなかった。やはり暑熱順化の対策が必要だったかもしれない。

汗の臭い

汗から甘い匂いがして、とにかく強烈に臭かった。コンビニに入るたびに申し訳ない気持ちだった。

今回のレースでの発見

彩の国以降、約半年間、ターゲットレースを一つに絞り、
そこに向けて自分なりに考えながら、ひたすら積み上げていく過程がとにかくおもしろかった。
その結果、レース前に「完走できないかも?」という不安はほとんどなかった。

実際のレース中も、途中で「辞めたい」と思うことは一度もなかった。
植生や建物も本州とは違い、見たことのない動物にも出会えて、走っていて意外と飽きない。

基地のそばを走る。

また、レース後は足裏以外に大きな故障やトラブルもなく、すぐにジョグを再開できた。
初めてロードのウルトレマラソン(小江戸大江戸230k)を走った時は1か月近く走れなかったことを考えると、大きな進歩だった。

レースから1週間後に近所の公園をジョギング。帰ってきたら完全に秋だった。