聖地に続くスペイン巡礼の道 1日目 フランスからスペインへ

スペインの聖地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」に続く、1000年以上の歴史を持つスペイン巡礼の道(カミーノ・デ・サンティアゴ)を2017年の10月上旬に歩いてきた。

いくつかルートがある中で、今回歩いた道は、南フランスからピレネー山麓を越えてスペインの西部まで約800km続く、最もポピュラーな通称「フランス人の道」。全工程を歩くと約1ヶ月は必要。今回の旅では一週間で歩いて行けるところまで。

巡礼の旅のスタート地点
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーへ

フランスのCDG空港からオルリー空港までバスで移動、その後、国内線を乗り継いで南仏の街バイヨンヌへ。現地到着は深夜23時。この日はバイヨンヌで一泊。

フランス南西部のバイヨンヌはチョコレートが有名な街。1600年代にスペインからフランスにチョコレートが伝わった最初の街らしい。そしてバスク帽の名前でも知られている、フランス領バスクの中心都市。

偶然、出会った日本語が話せるフランス人のおじさんがオススメのチョコレート店「Daranatz(ダラナッツ)」甘さ控えめでどれも美味しかった。

バイヨンヌ・サント・マリー大聖堂やバスク・バイヨンヌ歴史博物館、市場など昼過ぎまで、少しだけ観光を楽しんだ後、バイヨンヌ駅から巡礼の道の出発地「サン・ジャン・ピエ・ド・ポー」に向かって出発。切符を購入する際にクレジットカードがうまく使えず乗り遅れてしまいそうなところを駅員に助けられて何とか乗車できた。危ない。
列車に乗ってみると、これから巡礼の旅に向かう人達で一杯。

夕方頃にサン・ジャン・ピエ・ド・ポーに到着。

まずは巡礼の旅に必要な巡礼手帳(クレデンシャル)を入手するために受付事務所に向かう。

列車から降りた人が一斉に事務所に向かうので、しばらく順番待ち。

ほとんど言葉がわからないので大丈夫かなと思いながら受付すると、しっかりと日本語の案内も用意されていて、スムーズに手続き完了。

この手帳が巡礼者の証。巡礼者の宿(アルベルゲ)に宿泊する際にも必ず提示が必要で、宿の受付で手帳にスタンプを押してもらう仕組み。
その他カフェやレストランでも、提示するとスタンプを押して教えもらうことができて、旅の記録集としても大切な手帳だった。

受付を済ませた後は街を散策しながら、この日の夕食を買い出し。惣菜店でサラダと人参ラペ、キッシュ。パン屋で小さめのパンを3つ購入。

おやつはカヌレ専門店で。
こんな小さな町に専門店があるなんてさすが発祥の国。

この日宿泊した宿。予約は事前にBooking.comで済ませていたので、当日の支払いも無し。中に入ってみると想像以上に広くて快適。キッチンも付いていてアパートの1室みたいなイメージ。

南フランスのピレネー山脈の麓
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーからスタート。

夜明け前の翌朝5時頃に出発。

街を抜けると真っ暗。ヘッドライトをつけて歩き始める。

途中、振り返ると緑の中にぽつぽつと見えるオレンジ色の屋根が日本ではないこと再認識させてくれる。

歩き始めて7〜8km。雨が降り出したのでレインウェアの準備も兼ねてカフェで食事休憩。

シンプルな味付けのスープとオムレツのおかげで雨で冷えた身体が温まる。

初日は雨。残念ながら期待していたピレネー山麓の景色を見ることは出来なかった。牧場が多いのか、左右どこからともなく馬や羊が首にぶら下げたカランカランと心地よい鐘の音が響いていた。

途中気付いたらフランスとスペインとの国境を越えて歩いていた。全く気づかなかった‥。

サン・ジャン・ピエ・ド・ポーから歩き始めて[24.7km/7時間30分]ロンセスバージェスが見えるころようやく雨が上がってきた。

最初に歩いて訪れた町ロンセスバージェス。建物が数件立っているだけの本当に小さな街。

歩き始める前は宿泊するつもりでいた、とても大きな公営のアルベルゲ。

辿り着いてみると、雨の中歩いてきた疲労もあり、ゆっくり休めるレストラン付きの私営のオステルに宿泊。1階がレストランとパブ。2階が宿泊施設。

夕食はパスタとチキンかフィッシュにワイン付。
小さなレストランに今日この街に泊まっている巡礼者の人達が集まっていてとても賑やかだった。

2日目に続く。