2022年9月に開催された広島湾岸トレイルラン。距離108km 累積6800m(公式は6900m)。第1回大会ということと、まだ歩いたことも走ったこともなかった中国地方の山域に惹かれて、信越五岳と迷った末、広島湾岸にエントリー。
コース詳細はコースディレクターの小田さんによるnoteが素晴らしいのででこちらを参考に。
【コース解説その1】広島湾岸トレイルラン2022(スタートからA1まで)
今回のレースのテーマは3つ。
目次
1:広島を楽しむ
初めての山域とご当地グルメも含めて広島を満喫する。そのためにも日付が変わる前にフィニッシュする。
2:出し切ってフィニッシュ
過去のレースを振り返ると無意識にリスクを冒さない走りをしていることが多いので、しっかり出し切ることで自分に不足しているところを明確にするのが目的。自分がどこまで走れるのか挑戦しようと考えていたタイミングでコーチからもアドバイスされた。
3:水分補給を上手くやる
直前に開催された信越五岳でペーサーとして選手をフィニッシュに導くことができなかった反省と、多くのランナーが暑さによる疲労と補給に苦しむなか、上位の選手は補給に迷いがなくスムーズで暑さにも対応できている印象だった。まずは自分にとって最適な水分補給方法を見つけること。
レース前日受付と広島観光
山間部がスタート・ゴールのトレイルランニングのレースが多いなか、広島湾岸トレイルランは広島駅から公共交通機関ですぐ。原爆ドームのそばの市街地がスタート・ゴール。レース前日に観光やご当地グルメを気軽に楽しめるロングレースは珍しいと思う。
前日受付を済ませた後はチームメイトと合流して広島焼きを食べに。
2枚ぐらい食べれるかも?と思っていたけど鉄板焼きとお好み焼き1枚であっという間に満腹。ホテルに戻ってすぐに胃薬を飲んだ。笑。お好み焼きの前にドーナツを食べたのが余計だったかも。
スタートからA7エイド(74km)まで
スタートは朝5時。ホテルからタクシーで向かう。(大浴場付きのホテルを選んだのでレース会場まで歩くと約25分だった)会場に着くとシガイチでお会いした方々に再会。こういう形で会えるのも嬉しい。
朝焼けを見ながら第1ウェーブでスタート。川沿いのロードを6kmぐらい走る。
走り出すと序盤から心拍数が異常に高い。平坦なロードで5分30秒ペースなのに平均値160を超えている。
心拍数はそのうち下がるだろうと無視することに決めて、普段のジョグのペースで走る。
振り返ると前日食べた広島焼きの影響でお腹が張っていたのが要因かもしれない。便秘になると体温が上がるらしい。
A1エイドを出てしばらくすると景色が良いところに出た。
瀬戸内海が見える。こんなに海が近いレースも初めてだった気がする。
日の出と共に晴れてきて遮るものがないロードはとにかく暑い。
トレイルは事前にnoteで読んでいた通りの急登と急な下りの連続。前半から走り過ぎると暑さで後半まで持たないと判断して、ドロップバッグを受け取れる後半A7エイド(74km地点)から出し切ることに。
このレースで最も標高が高い白木山。360度眺望。A3エイドから山頂までひたすら登る長い区間だった。
白木山からの下りは走りやすい気持ちが良いシングルトラックのトレイル。トレイルを抜けるとウォーターステーション(38km)。
ここでもしっかりと水分補給と被り水。
今回のテーマにしていた水分補給。塩熱タブレットや塩だと取るのを怠ってしまい補給不足になりがちなので、固形物での摂取を辞めて、エイドで水・または麦茶を入れたら必ず経口保水パウダーまたはウルトラミネラルタブレットを入れることで電解質不足を防ぐことを試してみた。
結果的に味があることで飲みやすかったのか、水よりも水分摂取量が増え、レースを通して約2時間で約1リットルの水分を摂ることができた。最後まで足が攣ることも胃が気持ち悪くなることもなく、またレース後の脚のむくみもほとんどなかったので水分補給は上手くいった気がする。
A4エイド(46km)までは走りやすい下りのロードが中心。飛ばしすぎないように気をつけながら下る。
A4エイドのスポーツランドTAMADAに着くとぶどうが食べ放題。エイドで食べるだけ食べて、さらに袋に詰めて貰って食べながら次のエイドへ。写真を撮り忘れたのが残念。
このレースで一番キツかった区間がA4エイドからA5エイドに向かう途中の長いロードの登り。
とにかく暑くて、脇に流れていた沢の水で頭を冷やしながら登る。集中力も切れてきたので、カフェインジェルを摂って気持ちを入れ替える。
ほぼレースの中間地点、A5エイド(56km)に着く頃にはカフェインが効いたのか走れるようになってきたので、A5エイド〜A6エイドは水分補給だけで済ませる。
A3エイドからA6エイドまでは女子トップの選手とほぼ同ペースで抜きつ抜かれつだった。足を怪我している(転倒して出血したらしい)のに全く気にせず走っていて強かった。
A6エイドからドロップバックがあるA7までは約12km。細かいアップダウンのトレイルとロードで比較的走りやすい区間。
遠くから見ても急な登りと下りが想像できるおにぎりみたいな形の山がポコポコある感じ。普段走っている関東ではあまり見かけない風景。山の麓を流れる川がフィニッシュ地点まで続いている。
日が少し落ちてきたかなというタイミングで荒川さんから「涼しくなってきましたね。これからが本番!」のメッセージが届く。そう言われて周りを見てみると、ペースが落ちてきている選手が周りにちらほらいて抜くことができた。
A7エイド(74km)からフィニッシュまで
暑さを凌ぎながらドロップバッグを受け取れるA7エイドについたのが17時30分前。ほぼ事前に想定していたタイム通り。(小田さんが作ってくれたタイムスケジュールの精度が高い)後はここからどこまでペースを上げて走ることができるか。
まずはトイレを済ませてしっかりと補給。
補給を済ませた後は汗冷えしないように着替えてマッサージガンでマッサージ。この時ほとんど張りや痛みを感じなかったおかげで残り約30kmを走り切れるイメージをリアルに持つことができた。
ちょうどエイドを出るタイミングでチームメンバーの今井さんもA7エイドに到着。調子が良いと言っていた通り、元気でまだ余裕がありそうな感じだった。
A7エイドを出てしばらくすると阿武山に向けて約2.3kmで500m登るきつい区間。この登山口でヘッドライトを点灯する。ゴツゴツした岩場の区間は登りづらい上に誘導も少なくルートが分かりづらい。ただしっかりと補給も済ませていたので勢いで登り切る。
A8〜A9エイドの間で見た夜景。フィニッシュが近づくにつれて少しずつ市街地が明るくなっていく。
最終エイドA10からフィニッシュまでは約10kmのほぼロード。その区間を5:00/km前後で走るイメージを残しながら、A7からA10までの約24kmはできるだけプッシュして走る。途中A9エイド手前でお腹が痛くなり、エイドでトイレに駆け込む。前日のお好み焼きが原因なのか、結局ほぼ全てのエイドでトイレに立ち寄ることになってしまった。好きなだけ食べてしっかり走れる胃腸が欲しい。
最終エイドA10を出てすぐの歩道橋。市街地が近くに見えて帰ってきた感がある。ここからフィニッシュまでは平坦な川沿いを走るだけ。
河川敷までのロードの下りでペースを確認すると5分20秒で想像していたよりも足が動いていなくてガッカリする。もう一度気合いを入れ直して真っ暗な河川敷へ(河川敷に入るところで一度ロストする。)河川敷に入ると途中芝生の区間があったりコースが不明瞭で分かりづらい。
河川敷をしばらく走っていると前方に見たことある後ろ姿が‥荒川さん⁈すでにフィニッシュしていると思っていたので驚いた。聞くと途中からほぼ何も食べられなくなり、最終エイドでしばらく休んでいたそう。
あんなにツラそうな姿を見たのは初めてだった。
結果は17:21:06で16位。年代別3位(このレースの上位は30代の選手が多かった)。A7エイドから約30kmはしっかり出し切って想定より20分早くフィニッシュできたので納得の結果。
TOP10との差は約30分。30分速くフィニッシュするためにはエイド滞在時間の短縮はもちろん、平均ペースの底上げが必要だなと実感。
今井さんのフィニッシュを見届けて、タクシーでホテルまで移動(約5分ぐらい)。
レース後もお好み焼き!と思っていたけど、もう少しあっさりしたものが食べたくて、ホテル近くで深夜営業しているお店を見つけてうどんを注文。このお店の名物はカレー汁らしく、お店にいた人の多くが頼んでいた。いつか食べてみたい。
最後はやっぱり広島焼きで締め。
スタート・フィニッシュが市街地だと宿泊や交通手段に悩むこともないし、観光も楽しめて家族や友人も一緒に参加しやすくて良いレースだった。(近所の方から苦情が来たのか、途中からフィニッシュゲートが撤収され、MCのマイクパフォーマンスも無くなったのは残念だった)
装備
- ザック:サロモン ADV SKIN 12
- シューズ:アルトラ モンブラン
- キャップ:パタゴニア ダックビル キャップ
- パンツ:パタゴニア ストライダー・プロ・ショーツ
- ソックス:インナーファクト ラミーソックス
- ライト:レッドレンザー MH10
- 補給:経口補給パウダー