走るのが楽しくなった。走る理由とレースに出る理由。

新型コロナウイルスの影響で職場にもテレワークが導入され、朝の通勤時間が走る時間に変わって、走る時間が増えたことで、これまで以上に走るのが楽しくなった。

レースを完走するために走る、自己記録更新のために走る、ダイエットのために走る、走る理由は人それぞれ。自分が走る理由は何だろう?と改めて考えてみると、単純に走るのが楽しいから走っているという感覚に近い気がしている。2022年現時点での思考を整理してみた。

1. 未知との出会いと過程を楽しむ旅としてのランニング

歩いたり、走ったり、移動する過程で出会う変化が楽しい。

ファンシーパン
ベトナムの北部、中国の国境に近いファンシーパン
ニュージーランド
ニュージーランドのノーザンサーキット

これまでに歩いて旅をした、ベトナム・ファンシーパンやスペイン巡礼の道ヨセミテ国立公園、ニュージーランド(トンガリロ・ノーザン・サーキット)のように非日常の世界で出会う見たことがない海外の風景から、自宅近くの公園を走っていて感じる、季節の変化や時間の移ろいなど、日常の小さな変化に魅力を感じる。

都内でも自然が多く残っていて、毎日走っても飽きることがない近所の公園。1年の3分の1ぐらいはここを走っている。

夏の濃い緑が気持ちがいい場所、秋の紅葉がきれいな場所、朝日がきれいな場所、季節や時間で変わる景色が楽しめる。これまで以上に走る回数が増えたことで、ささいな変化に気付きやすくなった。

1周約9km。90%近く不整地を走ることができる。不整地を走る方が変化の幅が大きい。

2.自己の発見と探求

分水嶺トレイルでは奥多摩(鴨沢)から富士見平小屋(瑞牆山の麓)まで雨の中を約28時間歩き続けた。KOUMI 100では最後ほとんど走れなくなりながらも33時間で完走できた。奥信濃100では自分の感覚を頼りに走りきることができた。

国師ヶ岳
2019年の分水嶺トレイルで歩いた国師ヶ岳。甲武信岳から国師ヶ岳までが長い。

レース中に体験する疲労や痛み、眠気、緊張感、高揚感、一体感はレースならではの魅力だと思う。走っている時はツライことも、走り終わって振り返えると達成感に変わっていたり、自分自身の内的な変化や発見が面白い。

ITJ
2018年12月のITJ。ITJを完走できる走力をつけたくてランニングクラブに入った。

トレイルランニングクラブに入った2017年は30km走るのも精一杯だったのに、走力がついてくると自然と走る時間と距離が増えて、気が付いたら100kmや100mileのトレイルランニングのレースを完走できるようになっていて、このまま続けると自分がどこまで走ることができるのか楽しみでもある。

3.答え合わせのためのレースとトレーニング

目標のレースを完走するために走る人、表彰台を目指して走る人など、レースにエントリーする目的も様々だと思う。

自分にとってのレースの位置付けは、まだ見たこと体験したことがない、未知の世界に出会う楽しみと、これまで走ってきた結果として、自分がどれだけ走れるようになったのかを知るためのモノサシのような感覚。

エントリーしたレースを意識したトレーニングは行うけど、レースにエントリーしたからトレーニングするのではなく、あくまでも日々の積み重ねの延長にレースがあるイメージ。

奥信濃100のオフィシャル写真から

トレーニングメニューは事前に決めず、体調や気分に合わせて走りたいメニューで走っている。
あまり「練習!」みたいな感覚はなく、その時に興味・関心がある目標に向けてどうしたら近づけるのか?感覚的に考えて走るのが楽しい。なので、走力をつけるという意味では非効率的だと思う。

目標のレースに向けてロジカルにトレーニングメニューを組み立てて走っている人とは違うアプローチかもしれないけど、自分にはできない走り方なので、とても刺激になる。

現時点での関心は「どこまで長く、遠くまで走ることができるのか?」ということ。

2022年は100mileの先を知りたくて、滋賀一周トレイル(シガイチ)にエントリーした。
琵琶湖を擁する滋賀県を一周する、総延長438km、累積標高28,300mの日本最長級のトレイルレースだ。
全てが未知の世界なので全く予測がついていないけど、過程も含めて楽しみたい。