第1回 OSJ KAMI 100 レポート|関西圏のロングトレイルレースに初参加

兵庫県の日本海側、香美町で初開催されたOSJ KAMI100を走ってきました。関西圏唯一の100kmのロングトレイルレースです。
香美町までは新幹線で新大阪まで移動。新大阪からレンタカーに乗って、約2時間半~約3時間で会場のハチ北高原スキー場に到着。

OSJ KAMI100
テント設営時から緊張感があった

受付後、夕方18時15分からヘッドライトを装着してテント設営開始。
KOUMI 100と同じくドロップバッグの預かりなどはなく、テントもしくは車でのセルフサポート形式。
テント設営もレース同様にカウントダウンで一斉に場所取り。

ストックシェルター

前日夜はテント設営だけ。翌朝、補給食など周回毎に必要なものをすぐに取り出せる位置に用意して準備完了。

OSJ KAMI100

テント設営後は宿に戻って夕食の豚みそ鍋。
ニンニクと生姜が効いていて美味しい。宿泊した旅館Sasayaはレース会場も外湯の温泉も歩いて行ける距離で、事前にお願いすると朝食とは別におにぎりも作ってくれたり、居心地が良い宿だった。
宿のご主人のお兄さんもKAMI100に参加されていたそう。

コース概要と振り返り

KAMI 100

レース当日は快晴。参加人数は400人程度。スタートしてすぐスキー場のゲレンデを登る。
先頭の方を見ると走って登っていて、全体的にスピードが速い。つられて走ると後半つぶれそうなので、マイペースを心掛ける。関西圏の方は前半から突っ込む人が多いのか1周目のペースが全体的に速かった。

ゲレンデを登り切るとトレイルを少し下って、鉢伏山の山頂付近まではひたすら登り。

1周37kmのコース。前半部分(下)と後半分(上)を林道で繋いであるレイアウト。
高低図を見ると大きく3回登って下る累積標高6190 m+(1周平均約2060m)。KOUMIと比べるとKAMIの方が累積・距離ともに長い。

OSJ KAMI

鉢伏山までの登りの前半は、途中にロープがあったり足場も悪い箇所が多い。今回のコース上では一番走れないエリアだったと思う。レース後にSTRAVAのセグメントタイムを見ると、1周目、2周目、3周目と少しずつ遅くなっていて、特に日が沈んで暗くなってからは登るのに時間がかかっていた。

一息ついて、鉢伏山までの後半は階段で山頂を目指して登っていく。

コース上で最も景色がいいポイント。

鉢伏山から高丸山に向かう下りは見晴らしが良い。足場は階段とガレているところが交互にあるような感じで、晴れていたので良かったけど、雨でぬかるんでいたら走りづらい区間だと思う。

高丸山から第1エイドステーションまでは走りやすい下り。エイドでは周回毎にスープを飲む。スープの内容も周回ごとに変わっていたような気がする。
エイドを出てしばらくは林道(ロード)を登る。
KAMI 100は基本的に「登り→下り→エイド」の繰り返しで休めるところが少ない。

林道を登りきると痩せた尾根上のトレイル。小さなアップダウンがありつつ集中力が必要なサーフェスで面白い区間。

紅葉もきれいで走りやすくて1周目はペースが上がってしまった。

トレイルを抜けると前半と後半部分をつなぐフラットな林道区間。このレースで唯一のほぼフラットな区間。レース後半は37kmの選手も含めて、色んな選手とすれ違うことができて楽しい。37kmに出場していた妻とこの区間で会うことができた。

林道から第2エイドまでは走りやすいシングルトラックのトレイルを下る。KAMI 100のコースは全体を通して下りは走りやすい(走らされる)コース。3周目この区間で前を走っていた選手を3〜4名抜くことができた(前半で足を使い切ってしまっていた印象だった)。

オートミールリゾット
オートミールのリゾット。小さい赤いのは蟹らしい。

途中、小エイドに立ち寄って水分補給し、第2エイドに到着。
1周目は補給なしでスルー。2周目に立ち寄ると「リゾット食べる?」と声をかけられる。気になる‥‥と思いつつ、リゾットがあることを知らず、直前に補給を済ませていたので、3周目にいただく。てっきりお米のリゾットだと思っていたら、オートミールをアレンジした和風のリゾットでオートミール好きには嬉しい。2周目は洋風の味付けだったらしい。

エイドを出ると大きな公園を抜けて、瀞川山を目指してトレイルを登っていく。この辺りも紅葉がきれい。疲れた後半の足にはツラく長い登り。

瀞川山山頂。眺望が良い山頂。見渡す限りほとんど山。
ここからスタート地点(エイド兼フィニッシュ地点)までは約1kmの林道の走れる登りを除くと下りで5~6km。1~2周目は緩い登りも歩き、ラスト3周目は登りも全て走って約40分。
フィニッシュ地点の手前はスタート直後に登ったゲレンデの横の急坂(ロード)を下る。1周目、2周目と周回ごとに足を削られた場所。

レース結果

16:10:21 総合20位(年代別8位)でフィニッシュ。
1周目 4:41:48 (エイド滞在時間 8:16)
2周目 5:18:19(エイド滞在時間 12:14)途中で忘れ物を取り帰った分滞在時間が長くなってしまった。
3周目 5:49:44
出走者数:378名、完走者数:252名(完走率:66.7%)
エイドの食事も楽しめて、ほぼコンプリート。
フィニッシュ地点のエイドステーション。周回ごとにメニューが変わる。
1周目が終わって食べたカレーライス。少なめでお願いしたものの思ったよりも多くて食べられるか不安だったけど、食べ出したら美味しくてあっという間だった。

レース前の想定では、1周目5時間、2周目5時間30分、3周目6時間(1周毎に+30分/休憩30分)合計17時間ぐらいで走れたらと思っていたので、良い結果だった。
感覚的には3周目もう少し速く走りたかったけど、夜間でスピードが落ちてしまった。

良かった点

1つ目は心拍数などを気にすることなく、自分の感覚を頼りに最後まで余裕を持って走れたこと。
2021年8月の奥信濃100を走った際に、心拍数などを気にすることなく自分の感覚を頼りに最後まで走りきることができたので、そのイメージで100km超えに挑戦。結果3周目もしっかりと走ることができたので良かった。

2つ目はエイドも含めたおもてなしが素晴らしかった。
カレー、おでん、コロッケ、スープ、リゾット、おにぎり、サンドウィッチなど充実した食事と、レース後いつでも温泉に入れるように、この日は24時間営業。コロナ禍にありながら、地元の方のサポートが嬉しいレースだった。

レース終了後にいただいたおでんと但馬牛コロッケ。

改善点

奥信濃100の反省から塩分と水分補給を早めに行ったが、それでもまだ足りていない感覚だった。
またレース終盤、眼精疲労なのかヘッドライトの光がぼやけてきて、目の前のトレイルにピントが合わずスピードが落ちてしまった。これまでにない体験だったので、日中のサングラス着用と目薬を携帯することで様子を見てみる。

レース翌日は観光へ

レース翌日は、隣町にある植村直己冒険館へ。イヌぞりやテント、セーターやジャケットなど植村直己が冒険で使用した装備品の数々を間近で見ることができた。

北極点を目指してこんなイヌぞりで単独行をしていたのかと思うと驚きしかない。

城崎温泉の駅前
松葉蟹の解禁直後だったので、実際に食べられるのはもう少し後。

植村直己冒険館のあとは城崎温泉へ。温泉に入って蟹を堪能。

レース前後も含めて関西初のレースを満喫。
関東からは少し遠いけど旅行ついでにおすすめのレースです。