雄大な草原を走る「阿蘇ラウンドトレイル 2019」完走記

阿蘇ラウンドトレイル

5月の少し暑いぐらいの日差しの下、カルデラの中央にそびえる阿蘇五岳とどこまでも広がる緑の草原。これまでに自分が走ったどのレースよりも素晴らしい景色だった「阿蘇ラウンドトレイル」。

阿蘇ラウンドトレイル

前回大会(2018年)から少しだけ距離が伸びて、121km/累積標高(+)6,834m。自分にとっては初めての100kmを超えるレースだった。

阿蘇ラウンドトレイルスタート

朝7:00スタート。それほど大きな渋滞もなく1時間ほどで絶景の牧草地へ。

阿蘇ラウンドトレイル
阿蘇ラウンドトレイル

雄大な阿蘇の景色を楽しみながらマイペースで走る。気づいたら撮っていた写真の数もレース中においては過去最多。

阿蘇ラウンドトレイル
阿蘇ラウンドトレイル
阿蘇ラウンドトレイル

こんな気持ちが良い景色が九州にあったことを知らなかった。(阿蘇の草原の広さは日本最大ということをレースの翌日に知る)
個人的に前半で最も良かったエイドは国造神社。手作りのおにぎりや漬物、オレンジなど。中でもオレンジは暑かったのもあっていくつも食べてしまった。エイドに柑橘系の果物が置いてあるとそれだけで嬉しい。


日が暮れる少し前の阿蘇五岳

ちょうど半分(66km地点)のエイド、高森体育館に17時間30分に到着(ここまで10時間30分)。ほぼトラブルも無く順調。
このエイドでドロップバッグを受け取って補給食を入れ替える。眠気対策に入れていたレッドブルを半分飲んで残りはザックに。Tシャツと靴下、キャップを着替えて少し休憩。気づいたらあっという間に30分が経過していたので、日が沈む前に残り60km、後半に向けて出発。

エイド高森体育館

エイドを出発して1時間後、19時過ぎぐらいに日が暮れきてヘッドライトを点ける。関東より少しだけ日が長く感じた。
この辺りから徐々に前後の間隔が空いてきて、近くにランナーがいない状態に。時々、尾根伝いに見えるヘッドライトの光で進む方向を確かめながら走る。

高森体育館から2時間30分ぐらいで高森峠のウォーターステーションに到着。トイレ休憩と水分補給を済ませて次のウォーターステーションへ。
こまめにエイドやウォーターステーションがあるおかげで、それほど長く感じない。

朝3時に起きて、すでに16時間以上が経過。昨年のハセツネと分水嶺を振り返ると、いつ眠気が襲ってきてもおかしくない時間帯。
ところが今回は全く眠気がなく、その気配すら感じない。これがレッドブル効果なのか、とにかく楽しい。

しばらくすると階段の連続。先が見えないほとんどハシゴのような階段。
登っている途中、前を行く人から「四つん這いが楽ですよ」とアドバイスをいただいたので試してみると、これが結構良かった。

この方(S氏)、聞くと今回で3回目の阿蘇ラウンドトレイルというベテラン。この後のコースの感じなども伺いつつ、この後も程よいペースで一緒に走らせていただく。

阿蘇ラウンドトレイル

赤牛スープやまんじゅう、チーズ味のお菓子など、後半のエイドでは最も充実していたアスペクタに17時間14分07秒に到着。残り2つのピークに向けてゆっくりと休憩。
折角なので、オックスファムトレイル以来のニューハレ・ブースでテーピングも貼って貰い最終エイドへ。


俵山手間からの夜景。

エイドを出た後、しばらくロードを登っていく。トレイルに入るとマーキングの間隔が広く何度かロストしそうになる。
後半の樹林帯はもう少しマーキングの数が多いと嬉しいけれど、関東と九州ではスタッフの方やボランティアの数もきっと違うだろうし、それぞれに理由があってのことだと思うので仕方ない。自分は幸い、周囲にいるランナー同士で声を掛け合うことでロストせずに済んだ。

地蔵峠を越えてしばらく走ると長い長い下り。
途中、見えていた最終の「出の口エイド」になかなか着かない。
この区間がレース後半ではエイド間の距離が最も長い16.1km。後から振り返ってもとこの区間の下りが一番キツかった。

阿蘇ラウンドトレイルエイド

出ノ口の最終エイドに21時間36分着。
熊本名物のいきなり団子も食べて、しっかりと休んだ後、最後の登りへ。ここから先のエリアが一番ロストしやすいと聞いていたので、迷わないように気をつけながら俵山山頂へ。


俵山

山頂に着くとちょうど朝焼けのタイミング。スタッフの方にコーラのおもてなしもいただいて、あとはフィニッシュまでとにかく下っていく。前回大会では雨の影響で地面がぬかるんで大変だったと聞いていたトレイルも、今年は天候に恵まれてグリップが効く状態で走りやすい。

阿蘇ラウンドトレイル
阿蘇ラウンドトレイル

下りきった左手に見えるところがフィニッシュ地点。すでに前太腿はほとんど使い切って残っていない状態だったけれど、出し切って24時間3分でフィニッシュ。

最後まで眠くなることもなく、もう終わってしまうのが、少し名残惜しく感じたのはこの大会が初めてだった。

阿蘇ラウンドトレイルフィニッシュ

初めての100km超えのレースということもあり、28時間程度での完走を想定していたので、予定から約4時間の短縮。スタートからフィニッシュまで一定のペースを維持できたこと、眠くならなかったこと、途中で出会ったS氏とフィニッシュまで一緒に走れたのも良かった要因の一つだと思う。

フィニッシュ後にいただいたカレーと牛乳(ASO MILK)が本当に美味しくて、牛乳は帰るまでに2回も買ってしまった。

今回使用した装備

ザック:パーゴワークス RUSH UT
パンツ:パタゴニア メンズ・ストライダー・プロ・ショーツ
ウエア:チームTシャツ
インナー:ファイントラックス キンメッシュ
シューズ:アルトラ ローンピーク3.5
ソックス:インジンジ メリノウール
*日中の日除け対策と夜間の冷え対策は全てアームカバーで調整できた。